自治体と住民を結ぶ、デジタルな架け橋を紹介
自治体と住民の間に新たなコミュニケーションの架け橋を築く「GovNext」。このクラウドサービスを導入した板橋区の取り組みにスポットを当て、実際の事例を交えた様々な経験を通じて、デジタル化が地方自治体の業務に及ぼす影響と可能性を探ります。
LINE活用で開く新たな情報伝達の扉
導入の背景と経緯:
板橋区は、行政情報の周知に関する課題を抱えていました。他分野にわたる情報を幅広い区民ニーズに合わせて確実に届ける手段を模索していた中で、プッシュ型の情報配信を可能とするLINEの活用に着目しました。以前は区が運用するSNS利用の主流はTwitterやFacebookでしたが、他自治体の事例や内部の整備、市民の需要の高まりを背景に、LINEの導入を決定しました。
導入後の変化と評価:
導入以降、情報発信の幅が広がり、区民にとって必要な情報がリアルタイムで届くようになったことを感じています。カルーセル配信などの機能を活用し、情報を見やすく、かつ集約して提供できるようになったのは大きな進歩です。友だち登録者数は想定以上に増加しており、さらなる拡大を目指していますが、人口規模と比較するとまだ伸びしろがあると感じています。
運用上の課題と展望:
運用においては、友だち登録者数の増加や、見やすさと伝わりやすさを追求する中で、アカウントのブロック数の増加にも目を向けています。情報発信の方向性に関しては、単に高頻度で発信するのではなく、内容に応じたセグメント配信・一斉配信の使い分けや、メッセージの開封率等の分析の面も意識する必要があると考えています。
住民サービスへの影響:
GovNextの導入は、住民サービスの質を向上させると同時に、担当者の業務効率化にも寄与しました。カルーセル配信により、一定の情報量を見やすい形で提供できるようになり、住民からの肯定的なフィードバックも得られています。これは、今後の運用方針において重要な指標となります。
住民通報機能の有効性について:
板橋区では、道路破損状況等に関する区民からの連絡や問合せについて、LINEの通報機能を活用できないか、検討を重ねています。電話やメール、「区長への手紙」といった既存の連絡手段を使わずに、自身のスマートフォンからLINEを通じた通報が可能になれば、区民の皆さまの利便性向上につながると考えています。現在は庁内の調整段階のため、導入時期等は決まっておりませんが、住民サービスの向上のため、積極的に検討を進めていきます。
kintone導入で加速する業務効率化
FICが提供するサポートの実力
FICのサポート体制に対する評価:
印象的だったのは、プロジェクトの範囲を超えた相談にも、他の自治体の成功事例を基にした具体的なアドバイスを提供してくれた点です。kintoneを利用した情報共有が非常に効率的で、プロジェクト管理がスムーズに進行しました。また、操作方法の指導は非常に丁寧で、遭遇した問題に対しても迅速に解決策を提示していただけました。また、kintoneを活用した問い合わせサイトの使い勝手も良く、私たちの業務効率とサービスの質の向上に大きく貢献しています。
kintoneの使い勝手や特に便利だと感じられた機能:
初期には習熟期間が必要でしたが、慣れた後はその使い勝手の良さを深く実感しています。具体的な事例として、板橋区では各課から配信したい情報の申請を受け付け、その内容のメッセージを広聴広報課で配信しています。情報収集のために各課から必要とされる申請フォームを、kintoneのカスタマイズ機能を用いて職員が自ら設計し、運用しています。このように、kintoneの活用により業務プロセスが大きく改善されていることを実感しています。
機能拡充による利便性の追求 板橋区LINEアカウントの展望
今後の展望:
板橋区では、住民からの直接的なフィードバックを受け、定期的な利用者満足度調査を実施する計画です。また、住民にとってさらに使いやすいアカウントを目指し、予約や電子申請などの窓口機能の拡充を計画しています。
GovNextで住民満足と業務効率を向上
「GovNext」の導入により、板橋区は住民とのコミュニケーションの質を高め、自治体業務の効率化と住民サービスの向上を実現しています。これからも、デジタル技術を駆使して、住民の期待に応える自治体への変革を進めていきます。